いなべFM第92回令和6年11月22日放送「人生会議について」
いなべFM第92回令和6年11月22日放送「人生会議」
人生会議は、もしものときのために、自分が望む医療やケアについて前もって考え、家族や医療・ケアチームと繰り返し話し合い、共有する取り組みです。別名でアドバンス・ケア・プランニング(ACP)とも呼ばれています。厚生労働省では、11月30日(いい看取り・看取られの日)を人生会議の日として、普及・啓発をしています。今回は、東員町第2地域包括支援センター センター長 江口雅子さんへのインタビューです。
今日より若い日はない!今を大切に生きることが未来を創る!

私は現在、地域包括支援センターで、介護・医療、生活の困りごとなど、様々な相談を受ける仕事をしています。皆さんからよく受ける相談は、「将来が不安です」「この先どうなるのだろう」「将来のためために今から備えることは有りますか」などがあります。
将来のために今から備えようという気持ちは、ポジティブな感情だと思いますが、中にはまだ何も起こっていないのに、漠然とした不安に押しつぶされてしまう方もみえます。「ああなったらどうしよう・・」「こうなったらどうしよう・・」と、空想の世界にすっぽりと入ってしまい、ネガティブな気持ちが勝って、今を大切に出来ていない方も多く見られます。そうなると、今の自分を大切に出来ていないため、人生も楽しめていないようにも思えます。そんな時に、私は、アドバンス・ケア・プランニング (ACP)を紹介しています。
ACPは平成30年に「人生会議」という愛称になり、普及・啓発されています。人生会議とは、病気を発症した後で、「どこでどのように医療やケアを受けたいのか」「もしものときに受けたい医療と受けたくない医療は何か」を考えることで、あなたの希望や価値観、医療やケアについて自分で考え、身近な人たちと話し合うことです。
そして、ACPを話し合う手前にあるのが、アドバンス・ライフ・プランニング(ALP)です。ALPは、もっと手前の健康なときから人生観や死生観を元に「自分は何を大切にしているのか」「どのような人生を歩みたいのか」について考えるものです。皆さん、小学校などで卒業文集を書きましたか?ALPはその延長線上にあるものかもしれません。「こんな大人になりたい」と人生を思い描いた卒業文集のように、中学校や高校でも同じように想いや人生観をつづり、社会人になったときや結婚したとき、子どもが産まれたときなど、人生の節目にもライフプランを立てていく。自分の人生の物語を考えておけば、自分の人生観や死生観が明確になり、延長線上にある人生の最終段階のことも自ずと見えてくる。「自分は何を思い、何を大切にしているのか」を考えることが、ACPの基本骨格を形成するでしょう。この考えを提唱されたのは、東京慈恵会医科大学附属柏病院の三浦靖彦教授です。高齢者だけでなく、どの世代の方にも、自分事として考えてもらいたい内容だと思います。
人生会議は将来の話をしながら、今を大切にする事だと私は思います。自分は何を大切にしているのかを、自分自身で考えること、そして自分の大切な人と、一緒に考え共有し合うことだと思います。『今日より若い日はない!今を大切に生きることが未来を創る!』という視点で話し合ってみると、本当に自分がどうやって生ききるかがみえてくるようにも思えます。人生で一番若い今日という日を大切に生きることの積み重ねで、自分の望む未来を創ることができるのです。一度きりの人生です。人生のストーリーのクライマックスをどうしたいかを決めるのは自分です。さぁ皆さん、主役はあなたです。素敵なクライマックスを創っていきませんか!
まとめ
いなべ市では終活ノートを長寿福祉課や地域包括支援センター、市内の各図書館などで、無料配布しています。是非この機会に終活ノートを書き、書いた内容をもとにご家族で想いを共有していただきたいと思います。そして、自分の想いをまとめていくなかで、生きている今を大切にしようという気持ちになって、まだまだやり残したことがある、と気づくこともあるかもしれません。その目標に向かって楽しく生きていけたらと思います。
※インタビューの内容は趣旨を変えない程度に編集しています。
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