いなべFM第72回 令和6年1月25日 「遺言書」
いなべ市が配布しているエンディングノートの中には、残された家族の方が困ることがないように、医療や介護の意思表示についての内容の他に、遺言書についての説明もあります。遺言とは、遺言者が自分自身で自分の財産を誰にどう残すのかということの意思表示です。今回は、司法書士 小林聖仁さんへのインタビューです。
何故遺言書が必要なの?
子どもが遠方に住んでいる方や、子どもがいないという方が多くなり、ひとり暮らしの方が増えました。子どもがいない場合は兄弟が相続人になります。子どもがいる場合でも遠方の場合など、親の状態を長く知らないままになっていると、いざというときに相続について、決められないということが生じます。そういった方こそ、遺言書を作っていただくことが大事になります。遺言書の種類には、ご自身で遺言の内容を全部自筆する自筆証書遺言と、公証人役場に、公正証書として書く公正証書遺言があります。自筆証書遺言をそのまま自宅に置いておくだけでなく、法務局に保管するということも選択肢として増えました。自筆遺言を書くにあたって注意することは、形式的にはご自身で全部書いていただくこと、署名捺印、日付を必ず書いていただくことということです。中身の部分に関して、例えば、「次男に東の畑をあげる。」といった書き方は、本人や次男は東の畑という場所がどこにあるのかわかっていますが、他の人には分からず客観的でないためこのような書き方は無効になります。「次男に畑を任せる」といった書き方も、あげるつもりなのか、貸すつもりなのか、単に耕作だけして欲しいということなのかがわかりません。「自分の一方的な書き方になっていないか?」ということに注意が必要です。
ご自身の財産のことなので他人に話すのは恥ずかしいといった気持ちもあるかもしれませんが、専門職でないとその書き方が正しいかどうかわかりません。例えば弁護士や司法書士であれば、法律上の守秘義務がありますので、相談内容が他の人に知られるということもありませんので、法律専門職に相談していただくと良いと思います。
いきなり遺言書からではなく、エンディングノートを書き始めることによって、自分の人生を振り返り、自分の財産というのをまず把握してから遺言書を書き始めると、本当にご自身が書きたい文章というのが書けるのではないかと思います。
まとめ
いなべ市でお配りしているエンディングノートの中にも、相続と遺言書というタイトルで、法定相続人、遺産の分け方、相続人が主張できる相続割合、遺言書の種類についての説明が記載されています。是非お手に取って読んでみてください。エンディングノートはいなべ市役所長寿福祉課窓口や市内各図書館で無料配布しています。
インタビューの内容は趣旨を変えない程度に編集しています。
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