いなべFM第86回令和6年8月23日「高齢者施設での管理栄養士の役割について」

ページ番号1014324  更新日 令和6年9月26日

印刷 大きな文字で印刷

いなべFM第86回令和6年8月23日「高齢者施設での管理栄養士の役割」

写真

 

8月は栄養管理推進月間です。人々の豊かな生活と健康な暮らしを支えるために、食事や栄養の管理は大切です。今回は、「高齢者施設での管理栄養士の役割」について、特別養護老人ホーム翠明院 管理栄養士の小林明日香さんへのインタビューです。

食事を通して楽しみを見つける

写真
小林 明日香さん

管理栄養士の役割は、栄養状態のリスクの有無や課題の把握、利用者一人一人の栄養ケア計画を作成し、計画に基づいた食事の提供、経過記録を行うことです。食事は利用者のかむ力や飲み込む力に合わせて、おかずを細かく刻んだり、ミキサーにかけてペースト状にしたりして、安全に召し上がっていただけるような食事形態で提供しています。

食事の時間には利用者のもとへ伺い、食事を食べる様子や、飲み込みの状態、食べ残しがないかなども観察します。食事内容に問題があれば、利用者、看護職員、介護職員などの多職種の意見を聞き、食事内容や食事形態の変更を検討します。

 

翠明院では、毎月2回の行事食に加え、月に一度「なごみ喫茶」という利用者参加型のイベントを行っています。春にはよもぎ入りのあんまき、夏にはかき氷や和菓子バイキングなどを実施しました。利用者と一緒におやつを作ることもあります。おやつの生地を混ぜたり、焼いたり、盛り付けたり、匂いや音を感じていただくことも生活の刺激になります。できあがったおやつを選ぶことも楽しく、利用者と職員のコミュニケーションを深める場にもなっており、みなさんの笑顔をみられる機会にもなっています。

また、「夢企画」という利用者の夢を叶える取り組みがあります。たとえば、「出かけたい場所がある」などといった利用者のさまざまな願いをかなえる企画です。「これが食べたい」といった、Aさんの食に関する願いを叶えたエピソードを紹介します。普段Aさんには、おかずを細かく刻んだ形態の食事を提供していました。「細かく刻んでいない、見た目も普通の海鮮丼が食べたい」というのがAさんの願いでした。 ご家族や職員の協力のもと、普通の海鮮丼と同じような材料を準備して、食材の硬さに配慮しながら、細かく切れ目を入れるなど、飲み込みが悪い方でも安心して食べていただけるように工夫をしました。Aさんには大変喜んでいただけました。食べ終えた後に顔を合わせると、「ありがとう。本当においしかった」と笑顔で伝えてくださり、私までうれしくなりました。

これからも、利用者一人一人の生活に寄り添い、その人らしい生活を続けていただけるよう、食事を通して楽しみを見つけられるお手伝いをさせていただきたいと考えています。

まとめ

高齢者や障がいのある方は、身体の機能が低下することによって、食べ物をかむ力も弱くなり、食べ物が食べにくく、飲み込みづらいことがあるため、献立を工夫することが必要です。管理栄養士は利用者の方の状態に合わせた工夫を行っています。

 

このページに関するお問い合わせ

福祉部 長寿福祉課 [いなべ市役所]
電話:0594-86-7819 ファクス:0594-86-7865
〒511-0498 三重県いなべ市北勢町阿下喜31番地