いなべFM第81回 令和6年6月14日「訪問リハビリテーション」
いなべFM第81回 令和6年6月14日:「訪問リハビリテーション」
訪問リハビリテーション(以下リハビリ)は、利用者が可能な限り自宅で自立した日常生活を送ることができるように、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士などが利用者の自宅を訪問して、身体機能の回復や日常生活の自立に向けたリハビリを行います。
今回は、日下病院 理学療法士の井戸淳也さんへのインタビューです。
利用者の生活や人生をより豊かなものにする 訪問リハビリ
日下病院は訪問リハビリを開始して8年が経過しました。現在は7名のスタッフが訪問リハビリを担当しており、100名以上の方にご利用いただいています。
病院でのリハビリは退院を見据えて、病気や怪我を改善することが目的ですが、訪問リハビリは疾患の改善のみでなく、利用者の生活や人生をより豊かなものにすることを目的とした支援を行うことが特徴です。対象は、病気やけがで入院となり、退院時に入院前の生活に戻ることが難しいと想定される方や、転倒を繰り返し安全な生活が送れるか不安を感じている方、外出の機会が減り閉じこもり傾向となっておられる方、難病により徐々に生活が変化してきている方です。病気の有無にかかわらず、要介護認定を受けている方であればどなたでもご利用できます。
Aさんは、脳梗塞を発症され、半身麻痺の後遺症により車椅子での生活になりました。退院直後より訪問リハビリを開始、半年後には自宅での杖歩行ができるようになりました。今では、いなべ市の元気応援アプリ『いなべる』の歩数ランキングを目標に、1日1万5000歩の散歩の実施ができるまでに回復され、日々の楽しみに繋がっております。
脳梗塞を発症し、シルバーカー歩行で退院されたBさんは、自宅の庭に立派な桜の木があり、春になったら桜の花を皆さんに見てもらことが楽しみだと話してくださいました。訪問リハビリは、自宅で生活するために必要な、歩行や家事動作の練習を最初に行いますが、Bさんにとっては、お庭の草むしりや桜の木や花の世話が最優先でした。訪問リハビリでは草むしりに必要な指先の筋力評価から、地面からの立ち座りの練習、庭を這って移動する練習を中心に行いました。私もBさんと一緒に庭の草むしりをしたのはいい思い出です。リハビリ開始から3か月後、満開の桜の下で花見に来られた方と笑顔でお話しされるBさんの姿を見たときに、利用者の方の生活や人生に寄り添うことができた喜びを感じるとともに、これが訪問リハビリにしかできない支援の形であると改めて感じることができました。
まとめ
訪問リハビリのスタッフは、利用者のお話をじっくり聞いて利用者の方が希望する「ありたい生活」を実現するために日々努力をしています。
訪問リハビリ利用についてお問い合わせは、担当のケアマネージャーやいなべ市地域包括支援センター、病院の医療相談室などでご相談ください。
インタビューの内容は趣旨を変えない程度に編集しています。
このページに関するお問い合わせ
福祉部 長寿福祉課 [いなべ市役所]
電話:0594-86-7819 ファクス:0594-86-7865
〒511-0498 三重県いなべ市北勢町阿下喜31番地