いなべFM第71回 令和6年1月12日 「老い支度 エンディングノート」

ページ番号1013689  更新日 令和6年1月16日

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今回は前回に引き続き、老い支度に関すること、エンディングノートについていなべ市役所長寿福祉課 守山よりお話します。

 

エンディングノートを書いて、想いを伝える

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地域住民の方へ一昨年から医療や介護に関する説明も交え、エンディングノートを書くことをおすすめする、出前講座を行っています。やはり「実際に書くとなるとなかなか書けない」というお話も耳にします。昨年定期的に集まって活動されている10名ほどのメンバーの方に、出前講座を行いエンディングノートをお渡しました。その方々に再度お会いして、その後ノートを書かれたかどうかをお聞きしたところ、書かれていた方は10名中3名の方だけでした。書かれていた方は、前々から家にあるノートに書いてあって、新たに書きなおした方と病気をしたことがきっかけに、一人暮らしで、先々息子夫婦に迷惑をかけないため、書くことにしたという方でした。その方は、病気について特に詳しく経過を書いていました。急な入院になった時には、そのようなことが書いてあると役に立ちます。また、自分が今までどのように生きてきたか、生い立ちのようなことも書いた、ということでした。自分の思い出や、今はどんな生活をしていて、これからどんな日々を送っていこうと思うか、というようなことを記しておくと、これからの自分の目標ができていくと思います。このエンディングノートに書かれたことを自分だけに留めておいてしまうと、せっかくの自分の意思が誰にも伝わらないということになります。是非書いたことを、家族の方や仲の良いお友達、医療や介護、福祉のスタッフなど、どなたかに伝えてください。昨年発行のいなべ市広報誌リンク11月号では、「想いを伝える」というテーマで特集を掲載しました。伝える方法として、書かれた市民の方よりヒントをいただきました。顔を合わせて改めて仰々しくエンディングノートの話はなかなかできないので、書いたノートをテレビの横に立てかけて置いたら、お盆に来た息子さんや娘さんが何気なくそのノートを読んでくれたということでした。そんな何気ない場面で、自分の気持ちが伝わりそこから段々と話しづらい延命の話や介護にまつわる話などに発展していくのではないか、と思いました。
せっかく書いたのに、誰にも伝えずにお亡くなりになられたという方のお話を聞いたことがあります。お父さんが突然倒れられ息子さんは病院で延命処置をするかどうかについて、決断を迫られたようです。息子さんの判断で「延命処置はしない」という返事をされました。その後息子さんは自分の意思で決めてしまったことに、それでよかったのだろうか、と悩まれたようです。そんな中、遺品を整理していたら、お亡くなりになられたお父さんのエンディングノートが遺品の中から出てきました。それを読むと「延命処置はいらない」と書いてあり息子さんはホッとされたというお話でした。
もしものときに備えて、自分の想いを明確にすることは、周囲の人の負担を減らすだけでなく、大切にしたい想いにも気づくきっかけになります。最後の時まで自分らしく生きるために、エンディングノートを書いて自分の想いを伝えていただきたいと思います。
エンディングノートはいなべ市役所長寿福祉課窓口や市内各図書館で無料配布しています。是非ご利用ください。
内容は趣旨を変えない程度に編集しています。
 

このページに関するお問い合わせ

福祉部 長寿福祉課 [いなべ市役所]
電話:0594-86-7819 ファクス:0594-86-7865
〒511-0498 三重県いなべ市北勢町阿下喜31番地