いなべFM第85回令和6年8月9日「介護予防事業での栄養指導について」
いなべFM第85回令和6年8月9日「介護予防事業での栄養指導」
8月は栄養管理推進月間です。健康的な栄養状態を適切に保ち、さらに食べる楽しみが得られるような食事づくりはとても重要です。今回は、いなべ市役所長寿福祉課 管理栄養士の伊藤寛子(いとうひろこ)さんへのインタビューです。
一人一人の気持ちに寄り添う栄養指導
「食事」は日常生活の中で欠かすことができないものですが、簡単に済ませることもできます。たとえば、朝食をトーストとコーヒーだけで済ませることもできますし、ごはんに焼き魚と、具沢山のみそ汁、果物というようにバランスを考えて食べることもできます。いなべ市役所長寿福祉課では、高齢者の介護予防・フレイル予防を目的に管理栄養士訪問による栄養指導を実施しています。介護予防というと「筋力づくり」などの運動を想像されるかと思いますが、元気な体をつくるには、十分な「栄養」が必要です。「運動」と「栄養」は切り離すことができません。その「栄養」の重要性を伝えていくことが管理栄養士の役割です。
栄養指導を行うと「わかってはいるけれど・・・」、「私はできている」と言われる方もいます。一方的に栄養指導を行うのではなく、市民の声に耳を傾け、相談者が目指す生活はどのようなものなのか、気持ちに寄り添い一人一人の生活や環境に応じた食事の提案をするように心がけています。
ひとり暮らしの男性Aさんのエピソードを紹介します。普段から食事を作る習慣がなく、インスタントみそ汁や宅配弁当を食べる生活をしていたAさんには、冷凍野菜や缶詰め、ミニトマトなど、手軽に多様な食品がとれる方法をアドバイスしました。Aさんとスーパーで待ち合わせをして、おすすめの食材とその売り場を一緒に確認し、後日、写真で説明をするということも行いました。具体的に食品を伝えることで行動変容につながっています。習慣化することは簡単なことではありませんが、その方にできることを少しずつ増やしていき、無理のない範囲で食事バランスを整えられるよう支援しています。Aさんの趣味は、ドライブと美術館巡りです。食事バランスを整えて栄養状態を改善し、体力をつけることで、気持ちも前向きになり、趣味の活動が再開できるようになることを願っています。
まとめ
普段何気なく食べている食事のバランスを整えることで、栄養状態を改善し健康寿命を延ばすことにつながります。
いなべ市介護予防教室に関するお問い合わせはいなべ市地域包括支援センター 電話86-7818または、いなべ市社会福祉協議会 介護支援課 介護予防事業係 電話37-6375へお問い合わせください。
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