いなべFM第23回 令和3年12月24日:「介護者の想い」

ページ番号1011598  更新日 令和4年1月11日

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自宅療養中のお母さんを介護して1年が経過した、介護者の娘さんへのインタビューです。

介護はひとりで抱え込まない・・・“チームで介護"

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母は、約1年前に骨折で7か月の長期入院を経て、在宅に復帰しました。在宅で介護をしようと思ったきっかけは、医療に従事している知人から、「母がどんな状態であっても母の思いを尊重することが大事だ。」という言葉を聞いたことでした。母に「家に戻りたいか。」と聞いてみたところ「戻りたい。」と言ったことで自宅療養がはじまりました。母は、病院で胃ろう(注1)を造設ののち退院し、自宅療養となってからというもの、本当に目覚ましい回復を見せました。自宅療養で約1年経過し、「本当に母の気持ちを尊重することができて、よかったな。」という思いと、「本人が望む環境によって、人間の持つ生命力が引き出されるのではないか。」ということを実感しました。

母の在宅介護をはじめてから、看護小規模多機能型居宅介護「みざい」のデイサービスやショートステイを利用させてもらっています。施設スタッフの方から母が他の利用者さんの聞き役となり、「母の存在に癒されます。」とか「場の空気が和みます。」というお言葉を何度もいただき、母が介護されるという立場だけではなく、誰かの役に立っていることもあるのだということを気づかされて、とても嬉しく思いました。自分自身も介護しながら、癒されていることを感じることがあるので、一方的な介護をする側、される側という立場だけじゃない関係性があるのだと感じました。

私自身が母と二人暮らしで、「正規職員で働きつつ、母の在宅介護ができるか。」とはじめる前は大きな不安がありました。しかし今では、家族の中での介護者は自分一人ですが、介護事業所や支援者の方と連携したチームで介護をしているという意識が持てています。さまざまな福祉サービスを利用しながら、自分や母を支えてくれるサポーターを沢山つくっておくことで、意外と何とかなるかなという気がしています。

これから介護をされる方、今介護をしていらっしゃる方も、是非“チームで介護"という思いで、介護をしていただくとよいのではないかなと思います。

まとめ

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認知症も患っておられるお母さまの介護度は一番高い要介護5の認定です。今では胃ろうからは薬だけを入れて、口から普通食を食べているということでした。受けられている介護サービスは、月曜日から金曜日までのデイサービスと、土曜日は隔週でのデイサービスを利用されています。夜は娘さんの介護になりますが、月末は1回1泊2日のショートステイを利用され、この夜だけは、娘さんも自分だけの時間を過ごされています。そんな自分だけの時間を介護者が持つということも、とても大切です。在宅介護の合間に娘さんはお母さんと一緒にドライブしたり、ショピングを楽しんだりしておられるとのことでした。娘さんの仕事をしながら在宅介護を継続している秘訣は、一人で抱え込まない、医療・介護事業所の方々との“チームで介護"が確立しているからではないかと思いました。在宅での介護について自分一人で抱え込まず、医療や介護の専門職に相談をして欲しいと思います。

(注1)胃ろう・・・胃ろうとは、手術で腹部に小さな穴を開け、チューブを通し、直接胃に栄養剤を注入する方法
※インタビューの内容は趣旨を変えない程度に編集しています。

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