いなべFM第18回 令和3年10月8日:「認知症対応型通所介護」(認知症デイサービス)
介護サービスの一つに認知症に特化したデイサービス「認知症対応型通所介護」があります。定員は9名で介護職員一人当たりの利用者数が一般のデイサービスより少ないので、人員体制が手厚くなっています。今回は、いなべ市北勢町のモモ・いなべ介護福祉士 近藤まゆみさんにインタビューをしました。
「こんな表情みたことない」~デイサービスでの取り組み~
デイサービスでは、利用者の方の不安や何を忘れて生活に不自由なのかを考え、その人らしさを大切にすることに心掛けています。忘れてしまう記憶が多い中でも、そのときその場面で笑顔が見られるよう感情に寄り添い、回想法を利用して懐かしい歌を歌ったり、若いころのご自分に思いを馳せられるような援助をしています。
年中行事として、施設ごとにレクリエーションを行っています。なかでも秋の運動会では、このときが一番スタッフと利用者さんの気持ちが一つになり、楽しむことができます。運動会という行事は、皆さん誰でも経験があることだと思います。自分が親として弁当を作って参加したことなど、みるみるうちに思い出されます。周りの利用者の方とコミュニケーションが困難な方も、この日ばかりは、生き生きとした表情になります。紅白に分けてチーム対抗の競技になると、いつもは十分に手をあげたり伸ばしたりできない方でも、手を動かすことができたり、かけっこでは、シルバーカーを押しての参加もあります。大きい声で笑ったり、応援したり、とても力強い姿を見せてもらいます。その様子を写真に撮ってご家族様にお渡しすると、「こんな表情普段は見たことがない」と喜ばれます。
私たちは、利用者の方といつもスムーズに良い関係ができるわけではありません。入浴援助が上手くいかずどうしたらいいのか、と頭を抱え込むことなどあります。そんなときご家族からの、「お世話をかけますね。ありがとう」という労いの言葉が、本当にありがたく思い、その後も諦めずに支援を続けられたことがたくさんあります。ご家族の方としては、今までの家族間の歴史もあり、認知症となったその状態を受け入れることが難しく、辛い場面も多いと思います。そんなときに専門職に委ねてもらうことで、良い方向へ向かう、ということもあります。
まとめ
認知症の進行を予防する方法として回想法という方法があります。認知症の方は、最近の記憶を保つことが困難ですが、昔のことを思い出して言葉にしたり相手の話を聞いて刺激を受けたりすることで脳は活性化して、進行が予防されるといわれています。このような事業所では、少人数がゆえに、レクリエーションでもひとりひとりに合わせたメニューや進め方で関ってもらうことが可能です。認知症対応型通所介護についてのお問い合わせは、担当のケアマネジャーさんや、いなべ市地域包括支援センターへお問い合わせください。
※インタビューの内容は趣旨を変えない程度に編集しています。
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