いなべFM第17回 令和3年9月24日:「任意後見制度」

ページ番号1011207  更新日 令和3年10月13日

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二人の写真

今回は「任意後見制度(にんいこうけんせいど)」について、いなべ市大安町内に事務所がある司法書士の小林聖仁(こばやしきよひと)さんにお話を伺いました。

認知症になり、ご自身の大事な資産の保護や必要な手続きができなくなる前にできる対策は何か、というお話です。

司法書士さんからのアドバイス~判断能力が不十分になる前にやっておくべきこと~

小林さん
(小林 聖仁さん)

認知症になると、自分の気持ちをうまく表現できない、自分の名前を書けない、印鑑が押せない、印鑑の場所がわからないなど、自分で手続きができず困ることがあると思います。元気なうちにそれに備えるために、任意後見制度というもので予め第三者と契約をしておきます。認知症が重くなって判断能力がなくなった場合には、自分の財産管理や契約行為を本人に代わって第三者にしてもらいます。第三者の方と自分が契約した内容を公証人役場で公正証書として保管して残すわけです。

実際にはこの契約をされる方は、少ないのが現状です。「自分の判断能力が全くなくなってしまうかもしれない。」ということを想像することが難しいことや、そうなっても家族がきっと何とかしてくれるだろうと思われる方が多いのは確かです。しかし判断能力がなくなってしまうと相続手続きが一番負担になると思います。配偶者を亡くされて、残された配偶者の方が遺産相続の手続きをされる際に、判断能力があれば、その方を中心に手続きをしていくことができるでしょう。しかしその方の判断能力が衰えていくと、署名、捺印という行為が難しくなると思います。家族の方が代筆すればよいのでないかと言っても、本人の直筆ではない以上、受け入れてもらえるかどうか、というのが問題です。相続だけではなく、生前の高齢者施設、福祉施設の入所の際、本人さんが契約に介在しない場合コンプライアンスの問題もあり、施設の入所契約を断られるケースもままあります。そうすると、入所するために本人に代わって入所契約をしていただける方、家族以外の方が必要になりますが、それを求められるケースも多くあります。そのときに備えて任意後見契約を申し込んでおくということは、自分の資産を確保する上で確かなことだと思います。具体的にどういったことを代理してほしいのかといった内容については、できれば事前に信頼できる弁護士や司法書士、行政書士などの法律専門職に相談していただければ、一番よろしいかと思います。

まとめ

守山さん
(長寿福祉課 守山)

今日のお話は判断能力が不十分になった場合に備えて、あらかじめ公正証書というもので本人が後見人を選んで契約をしておくという制度のお話でした。このような手続きの相談はお話いただいた小林さんのような司法書士や弁護士、成年後見サポートセンターなどが担っています。

※インタビューの内容は趣旨を変えない程度に編集しています。

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