いなべFM第7回放送:「訪問看護」

ページ番号1010782  更新日 令和3年6月2日

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第7回放送 令和3年4月9日:「訪問看護」について

二人の写真

いなべ市、東員町には、訪問看護ステーションが8か所あります。今回は、いなべ訪問看護ステーションのぞみの川杉洋子看護師に、訪問看護についてお話を伺いました。

訪問看護について

川杉さん
(川杉訪問看護師)

訪問看護では、看護師が自宅を訪問し、その方の病気や障がいに応じた看護を行います。退院して間もない方や退院後も医療処置が必要な方には、病院と同じような処置を行いますし、自宅で最期を迎えたいという希望に沿った看護も行います。対象は赤ちゃんから高齢者まで、全ての方となりますが、訪問看護の必要性を認めた主治医による指示が必要となり、主治医の指示に従って対応します。

本人・家族の生活を医療の専門職としてサポート

訪問看護をしていて、特に印象に残っている患者Aさんのお話をご紹介します。
Aさんは、がんの手術後、長い間抗がん剤治療をしていましたが、途中で認知症を発症しました。認知症が進行したため、がんの痛みやだるさを上手く伝えることができなくなり、排泄や入浴にも介助が必要となりました。しかしAさんが家族の介助を拒否したため、ご家族はどのように対応すればよいか迷い、疲れてみえました。そんな時、訪問した看護師が、ご家族に認知症やがんによる症状を説明し、家族全員で今後の生活をどうするかを話し合うことをお勧めしました。その結果、ご家族は在宅での療養を決められましたので、24時間体制でいつでも相談できる訪問看護が支援し、自宅での療養生活をサポートしました。

その後、Aさんは徐々に寝たきりになり、介護ベッドを設置することになりましたが、お嫁さんは「部屋の真ん中にベッドを置いてください」と言われました。なぜなら、隣の部屋のリビングにいる家族の顔が、寝ているAさんからも見えるようにという思いから希望されたのでした。認知症の方を不安にさせないというご家族の配慮、Aさんを大切に想う気持ちに心が打たれました。

ご家族は弱っていくAさんを前に、やっぱり入院させた方がいいのではないかと悩んだり、家族間で意見が喰い違うこともありました。その度に、訪問した看護師はご家族の不安な気持ちを聞き、助言を行いました。また、在宅医師からも今後の病状についても説明していただき、その都度ご家族で話し合っていただき、最後は自宅で看取りをされました。

家族にとっては、介護が始まり生活が一変したと思いますが、医師やケアマネさんと連携し、訪問看護のスタッフ間でも支援について話し合い、寄り添うことができたことはとても良かったと思っています。

まとめ

守山さん
(長寿福祉課 守山)

今回は介護に戸惑う家族に対し、医療面での身近な相談相手として訪問看護が支援を行い、本人・家族が希望する自宅で最期まで過ごすことができたケースで、医療や介護の支援機関と連携し、本人・家族の生活をサポートする訪問看護の役割が良くわかるお話をご紹介いただきました。訪問看護の利用には、主治医の指示が必要となります。まずは、主治医にご相談ください。

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