いなべFM第13回放送 令和3年7月9日:「訪問リハビリテーション」
訪問リハビリテーションは、ご自宅に出向いて、日常生活の維持や回復に向けてリハビリテーションを提供するというサービスです。利用するには訪問看護と同じく、医師の指示書が必要で、主治医が必要と判断した場合に利用が可能です。担当する専門職は、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士という資格をもった技師で、その方のリハビリテーションの内容に応じて訪問します。今回は、日下病院の理学療法士井戸淳也さんにお話をお聞きしました。
理学療法士のサポート
訪問リハビリテーションは、基本的には疾病に対してのリハビリとなりますが、加齢に伴う活動量の低下によって、筋力や体力が弱ってしまった方も対象となっています。リハビリの内容は、その方が目指している目標に合わせたプログラムを提供しています。「リハビリ」と聞いてイメージし易いマッサージや運動はもちろんですが、一人で入浴を目指した訓練や、認知症予防のための認知機能訓練、安全に過ごせるように手すりや杖の提案なども行っています。特に印象深い利用者さんを二名紹介させていただきます。
一人目の方は、脳梗塞から回復され、1人暮らしができるようにまでなられたAさんです。退院直後は、歩行器を使用しないとふらついてしまう状態でしたが、週3回の訪問リハビリテーションと継続的な自主トレーニングの実施により、半年後には、杖なしで歩けるようになり、料理や洗濯なども行えるようになりました。その後、一人暮らしにも自信がついたことで、今では福祉バスや電車に乗ってみたいという新たな目標ができ、前向きにチャレンジされています。
二人目の方は、ALSという難病と闘ってみえるBさんで、5年ほど前から関わらせていただいています。リハビリ開始時は、手すりや壁などに伝うことで歩くことができていましたが、徐々に筋力が低下してしまい、現在は、寝返りも難しい状態です。しかし、本人から「何も自分でできなくなったからこそ、支えてくれる家族やサービスの有難みがわかる、今が一番幸せです。」という言葉を聞くことができました。本人の気持ちの強さや豊かさはもちろんのことですが、その方の人生に寄り添うことができたということを強く実感し、この仕事にやり甲斐を感じた瞬間でした。
リハビリテーションは、早く始めたら始めただけ効果が高まります。例えば病気を発症してから、数年経った方よりも、発症直後の方の方が大きく改善します。これは、訪問リハビリでも同じで、退院直後の方が、入院中のリハビリが継続して行えることでより高い効果が期待できます。そのため、入院中の方や在宅生活に少しでも不安のある方は、お早目にご相談いただきますと、ご自身の目標に近づける可能性が高まります。
まとめ
在宅での医療・介護従事者は、リハビリテーション専門職のサポートのもと、生活の維持や回復に向けてチームでその方に関わらせて頂いています。詳しいことは、担当のケアマネジャーや、いなべ市地域包括支援センター、病院の医療相談室などでお聞きください。
このページに関するお問い合わせ
福祉部 長寿福祉課 [いなべ市役所]
電話:0594-86-7819 ファクス:0594-86-7865
〒511-0498 三重県いなべ市北勢町阿下喜31番地