いなべFM第4回放送:「ケアマネジャーの仕事」

ページ番号1010543  更新日 令和3年6月2日

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第4回放送:令和3年2月26日

対面写真

介護保険サービスを利用する時には、その人の状態に合わせて、要介護・要支援認定の申請手続きを進めます。要介護認定が決定すると、ケアマネジャーに依頼し、一人ひとりの状況に応じた介護サービス計画を作成します。今回は、ケアマネジャーのお仕事について、いなべ市社協ケアプランセンターの土井 貴子さんにお話を伺いました。

本人・家族とサービス事業所を繋ぐ調整役:ケアマネジャーについて

土井さん
(土井 貴子さん)

ケアマネジャーは、介護申請を行い認定が下りた方を対象に、ご本人やご家族と一緒に相談して、その人の状態に合ったサービスを検討し、プランを作成します。

これまで私が担当させてもらった中でも、印象に残った90歳の二人暮らしのご夫婦のお話をご紹介します。ご主人は、病気の治療のため長期間入院していましたが、自宅に戻った時には足腰の筋力や体力が低下し、食べ物をうまく飲み込むことができなくなっていました。介護サービスは、訪問系と通所系の二つのサービスに分けられますが、ご主人の様子を見て、担当の私が考えたことは、まずリハビリ専門職に相談し、飲み込みの訓練をしてもらうことでした。同時に、訪問看護師さんに全身の体調の管理と観察を依頼し、飲み込みやすい料理を食べてもらえるように、ヘルパーさんに自宅での調理の支援をお願いしました。そうすることで、ご主人の栄養状態は整えられ、少しずつ体力が回復しました。次に、訪問看護師さんやヘルパーさんと相談し、ご主人に歯科受診をお勧めしました。入れ歯を作ってもらい、デイサービスを利用できるようになったことで、一年後には、庭の散歩や大好きだった習字、一番望んでいた晩酌ができるまでに回復されました。
このように、医療と介護のチームがほんの少しだけ暮らしのお手伝いをしたことで、ほぼ寝たきりだったご主人が、高齢でありながらも元気を取り戻せたことに、私も支援をしていながら驚きました。ご本人が努力されたことはもちろんですが、ご家族の方も関係者の助言に耳を傾けてくださり、回復の方向に進んでいったと思います。

そこから約5年のお付き合いが続きましたが、その間に奥さんが認知症を発症し、家族の方にご不幸があるなど、様々なことが起きました。そして、ご主人は、日課の散歩を終えてお部屋に戻り、奥さんの顔を見て「気持ちよかったなあ」と話をして、ベッドに横になった1時間後に永眠されるというご主人らしい最期を迎えられたのでした。私がこの方のお話をしたのは、年齢や住まい、家族状況などに関係なく、人生に何度も花を咲かせることができるということをどうしても知っていただきたかったからです。

私たちケアマネジャーは、福祉の専門職として、本人やご家族と相談をしながら、介護保険サービスを一緒に考えるお手伝いをさせていただいています。地域の皆様の身近な存在になれるよう、これからも頑張っていきたいと思います。

イラスト

まとめ

守山さん
(長寿福祉課 守山)

ケアマネジャーは、介護保険サービスを受けられるように介護サービス計画の作成やサービス事業者との調整を行う身近な相談役です。ケアマネジャーが所属する居宅介護支援事業所の一覧が同封されていますが、詳しいことをお尋ねになりたい場合は、地域包括支援センターにご相談ください。(通院や入院中の方は病院の医療相談室でも相談できます)

このページに関するお問い合わせ

福祉部 長寿福祉課 [いなべ市役所]
電話:0594-86-7819 ファクス:0594-86-7865
〒511-0498 三重県いなべ市北勢町阿下喜31番地