いなべFM第108回令和7年7月25日放送「民生委員・児童委員」について
いなべFM第108回令和7年7月25日放送「民生委員・児童委員」
民生委員・児童委員は地域住民の立場から、生活や福祉全般に関する相談や援助活動を行っています。具体的には高齢者世帯を訪問して生活状況を把握し、支援が必要な人の相談に応じています。今回は「民生委員・児童委員」について、北勢地区民生委員・児童委員協議会 会長 杉野 紀弘さんへのインタビューです。
ご存知ですか?地域の身近な相談相手 民生委員・児童委員
私が民生委員・児童委員に任命されて、5年が経ちました。その前は地区の自治会長をしていました。民生委員・児童委員は3年毎に改選になります。5年前、私は自治会長として次の民生委員・児童委員を選任するため、地区の人に頼みに回りました。しかし、引き受け手は見つかりません。仕方なく自分で引き受けることにしました。
それまで福祉についての予備知識も無く、民生委員・児童委員の役割も分からずに引き受けたので、最初は不安いっぱいでした。しかし、毎月の定例会や研修会で色々なことを学び、他地区の委員と交流することによって、徐々にその役割が分かってきました。そこで分かったことは「民生委員・児童委員は自分一人で解決するのではなく、市役所や社会福祉協議会などの関係機関につなぐ役割である」と知りました。そのため、福祉委員会や老人会などの会議に出席して、情報を集めることにしました。会議で教えてもらったちょっと心配なご家庭を訪問し、困りごとをお聞きするようにしたのですが、ほとんどの方は「今のところ特に困ることは無い」とおっしゃいます。しかし、何度か訪問をするうちに少しずつ打ち解けてきて、世間話や愚痴を聞いたりするようになります。そのような他愛もない話をすることによって、絆を深めれればと思って訪問を続けてきました。
そうした活動の中で忘れられない方の話をします。その方は少し前にご主人を亡くされた、一人暮らしの高齢者でした。いつものように民生委員・児童委員であることを告げて、何か困りごとは無いか尋ねました。最初は少し警戒されて、あいさつ程度で終わりましたが、その後何回か尋ねるうちに、少しずつ世間話ができるようになっていきました。そんなときに、突然その方が不慮の事故でお亡くなりになりました。私はびっくりして、すぐにその方の自宅に駆け付けました。遠方に住んでいる娘さんに、私がお悔やみを申し上げると、娘さんから思いがけない言葉をいただきました。「母は電話をするたびに、民生委員さんが来てくれるのでうれしいと言っていました。お世話を掛けました。」とお礼の言葉をいただいたのです。その言葉を聞いて、私の訪問が故人にとって少しでも癒しになっていたのだと知り、民生委員になって本当に良かったと思いました。 民生委員活動は3年の任期ですが、その間には苦労や困ることもあるかもしれません。しかし、それ以上に喜びや感動することが多くあります。今年の12月に新しい民生委員・児童委員が任命されます。任命された方にとって、きっと素晴らしい人生経験が待っているでしょう。
まとめ
核家族化が進み、地域社会のつながりが薄くなりつつある状況のなか、民生委員・児童委員の存在は益々重要となります。しかし、その担い手は全国的にも不足しており、深刻な事態となっています。厚生労働省では、担い手不足の解消を図るために制度の見直しも検討されています。
各地区の身近な相談相手として、民生委員・児童委員の方の存在を、皆さんに知っていただきたいと思います。
※インタビューの内容は趣旨を変えない程度に編集しています。
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