いなべFM第131回令和8年7月10日放送「パーキンソン病の診断」について
いなべFM第131回令和8年7月10日放送「パーキンソン病の診断について」

パーキンソン病は脳の神経伝達物質であるドパミンが不足するため、脳からの命令が全身にうまく伝わらず、身体がうまく動かないという進行性の神経疾患です。131、132回はパーキンソン病について、三重北医療センターいなべ総合病院 脳神経内科医師 家田俊明さんへのインタビューです。今回は「パーキンソン病の診断について」です。
パーキンソン病の早期診断ができるようになりました

脳の大脳皮質は脊髄へ運動の命令を伝える「錐体(すいたい)路(ろ)」という系統があり、運動の基本的な命令を伝えます。パーキンソン病は、その錐体路の外の錐体(すいたい)外(がい)路(ろ)に、支障をきたします。錐体外路は、運動の命令を実行するために、手足の筋肉がすぐに動くように準備をするところですが、パーキンソン病になると、運動の準備が十分できないため、命令が届いても手足がうまく動かないといった症状が出ます。40~50歳代で発症するパーキンソン病の場合は、進行が早く、回復や改善が難しいですが、70歳~80歳代になって発症する場合は、手足のふるえや歩きにくさといった症状の進行は比較的緩やかです。高齢になると、年齢的な衰えによって、どの人にも同じような症状が出やすくなります。
パーキンソン病は、脳内のドパミン神経細胞が減少して起こります。その原因は、αシヌクレインという悪玉のタンパク質が脳の中に凝集して蓄積するためと考えられています。ドパミンが減少していることが、以前は、画像検査でとらえることはできませんでしたが、最近では、ドパミン作動性ニューロンを画像化することができるようになりました。これをダットスキャン(DaT Scan)検査といい、脳内のドパミントランスポーターの働きを画像化することで、パーキンソン病の早期診断に役立っています
ダットスキャン検査によって、パーキンソン病のような運動機能の低下がみられる病気を、画像化することができるようになりましたが、さらにその中からパーキンソン病を絞り込むために、心臓の検査をします。パーキンソン病では、心臓交感神経の働きが低下するため、心臓を調べることによって、パーキンソン病かどうか診断をすることができます。2000年ごろまで、パーキンソン病について、脳の機能も、心臓の機能も、画像で調べることはできませんでしたが、ダットスキャン検査によってパーキンソン病の早期診断ができるようになりました。
まとめ
次回も引き続き、三重北医療センターいなべ総合病院 脳神経内科医師 家田俊明さんより、「パーキンソン病」をテーマにお話いただきます。
*インタビューの内容は趣旨を変えない程度に編集しています
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