いなべFM第57回 令和5年6月9日 「お家でできる口腔ケア」
6月4日~10日は歯と口の健康週間です。歯の健康をいつまでも保つことは、からだ全体の健康を守ることにも繋がります。今回はお体が不自由で歯科通院が困難な方にご自宅へ訪問して歯のケアを行っている三重県歯科衛生士会 桑員支部 歯科衛生士 中井澄子さんへのインタビューです。
からだ全体の健康に繋がる歯のお手入れ
歯科衛生士訪問でまず行うことは、訪問する方の性格や全身状態、薬のことや食事のことなどを知ることから始まります。高齢の方の口の中のトラブルとして多い内容は、「口が渇く」「唾液の量が減る」「硬いものが噛みづらい」「むせる回数が増える」「食べ物が飲み込みにくい」などです。口の中は汚れが残っている方も多く、歯を磨くときに歯の汚れが起こりやすい場所は「歯と歯の間」「歯と歯茎の境目」「かみ合わせの溝」です。舌にも汚れがついている方も多いです。歯垢は入れ歯にも付きますので入れ歯使用の方は、自分の歯と入れ歯の両方を綺麗にすることが必要です。歯の汚れを落とすには歯ブラシだけでなく、デンタルフロスや歯間ブラシを使っていただくと、より綺麗にすることができます。
私も訪問のとき、歯ブラシだけでなく、歯間ブラシや舌ブラシなどを使い、口腔ケアをしています。唾液の量が少ない方には、唾液腺のマッサージをします。歯があり、しっかり噛んで食事をしている人と、歯が数本しかなくしっかり噛むことのできない人を比較すると、後者は認知症になりやすいということも明らかになっています。また、口の中が清潔に保てないと、誤嚥性肺炎になる恐れもあります。
訪問した方が、歯茎の状態が改善し「食事が美味しく感じるようになった」とおっしゃられると、私もやりがいを感じ、私自身の活力ともなります。年齢を重ねるにつれ、筋力低下や体力が低下し、階段の上り降りが辛くなり、バランスが悪くなり、転びやすくなるといった症状があります。体が変化すると同様に、口の周りや筋肉や、舌の筋肉、飲み込むための筋肉も同じように衰えます。口の中を清潔に保ち、あわせて口の機能を保つことも大切です。
まとめ
毎日しっかりと歯の健康を管理して、何歳になっても「元気に会話ができる」「おいしく食事をいただける」といった日常生活を送って頂きたいと思います。
訪問口腔ケアについてのお問い合わせは、担当のケアマネジャーさんや地域包括支援センター電話0594-86-7818までお問い合わせください。
※インタビューの内容は趣旨を変えない程度に編集しています。
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