いなべFM第51回 令和5年3月10日 「訪問看護ステーション」
全国の訪問看護ステーション事業所数は高齢化と共に増えています。いなべ市には訪問看護ステーションが3つあります。「訪問看護ステーションわかば」 管理者 伊藤清文さんにインタビューしました。
訪問看護を志したきっかけは、病気の悪化予防をしようと思ったこと。
「訪問看護ステーションわかば」は、平成19年5月1日に事業所としてスタートしました。それまで私は病院の救急外来や救急病棟、ICUなどで看護をしていました。その中で、「ちゃんと健康管理をしていれば入院をしなくても良かったのではないか」と思うような患者さんをたくさん看てきました。自宅で何か予防する方法がないかと考えたのが訪問看護を始めるきっかけでした。病院勤めしかしたことのない私でしたが、古着の店で買った300円のスーツを着て、いなべ市のケアマネジャーや介護施設、病院はもちろんのこと、いなべ市以外、朝日、東員、桑名、菰野と広い範囲で、営業に回りました。現在は訪問看護も介護サービスの一つとして広く知られるサービスとなりましたが、開設当初は訪問看護というサービス自体は知っていただいていても、なかなか訪問看護の導入に繋がらないという状況でした。利用者の方が、徐々に増えてきたのはスタートしてから約5か月後くらいでした。当時では珍しい365日年中無休ということを掲げました。いなべ地域の他の訪問看護ステーションから2か所の訪問を利用する紹介もあり、それを契機に、少しずつケアマネジャーや病院の医師、介護サービスの方々との係わりも増えました。現在はいなべ市と桑名市に事業所を設け安定して運営できるようになりました。訪問させていただいた方の中で、印象に残っている方のお話をします。その方は40代の神経難病の方でした。訪問開始当初から手足に障害が出ていましたが、数年関わらせていただくうちに飲み込みも悪くなり、誤嚥性肺炎を繰り返し、その度に自宅で点滴治療を行っていました。若いこともあり胃ろうを提案しましたが、はっきりとした答えはなく、その後も誤嚥性肺炎を繰り返しました。最終的には説得されるような形で、胃ろうを作る為に入院をされましたが、結局入院中に肺炎でお亡くなりになられました。胃ろうを造ることは決して悪いことではなく、メリットも大きいのでお勧めはしたものの、これで良かったのか、自問自答しています。そのようなこともあり、出来る限り本人の意思、家族の想いなどに耳を傾け、本人にとっての最善とは何なのかを常に考えながら看護をしています。
まとめ
胃ろうを造るべきか否か、というような延命処置に関しては、医療従事者からの情報提供も必要になると思います。訪問看護師は利用者の精神的支援にも力を入れています。
訪問看護を含む介護に関するお問い合わせは、0594-86-7818 いなべ市地域包括支援センターまで
※インタビューの内容は趣旨を変えない程度に編集しています。
このページに関するお問い合わせ
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電話:0594-86-7819 ファクス:0594-86-7865
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