ふるさとの川のネコギギ復活を目指して

ページ番号1010120  更新日 令和2年11月10日

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No.1010120
令和2年11月10日

内容

1 河川放流で国指定天然記念物ネコギギ(淡水魚)の繁殖に成功し、稚魚が見つかりました。
2 市立十社小学校で飼育中のネコギギを11月中旬に放流します。

特記事項
  1. 飼育下で家系管理しながら増殖した員弁川水系由来のネコギギを、平成28年から、ふるさと川へ放流しています。今年も河川繁殖に成功しました。
  2. いなべ市立十社小学校では、平成18年から川の環境学習でネコギギについて学んでいます。その一環として学校でネコギギの飼育をしており、一部を11月中旬に放流します。

員弁川水系で保護し飼育下で家系管理しながら増殖したネコギギを、平成28年7月から、ふるさとの川へ継続的に放流しています。放流開始後からモニタリングを継続し放流ネコギギの生息を確認しています。ネコギギを放流した場所で平成29年8月、平成30年8月及び令和2年10月に稚魚(当歳魚=0歳魚)が見つかりました。
今回(令和2年)、稚魚が見つかった場所は、これまで(平成29年、平成30年)に稚魚が見つかった場所とは別の支流です。繁殖場所が増えたことで員弁川水系のネコギギ復活に向けて一歩前進しました。

  • 背景
    三重県北勢地方を代表する水系の1つである員弁川水系は、魚類相の豊富な水系として知られており、過去には多くのネコギギが見られました。しかしながら、平成13・14年度に三重県が実施した天然記念物緊急調査によると、員弁川水系でネコギギが確認されたのは1支流のみでした。さらにその後の調査結果から、このまま放置しても、員弁川水系のネコギギは近い将来に絶滅する危険性が高いとの判断から平成15年度に三重県教育委員会がネコギギ保護増殖事業を開始しました。平成18年度から文化庁の補助を受けて、いなべ市が事業を引継ぎ継続しています。
  • 事業の特徴
    事業実施にあたり、研究者などの学識経験者で構成する「員弁川水系天然記念物ネコギギ保護増殖事業指導委員会(委員長 岐阜協立大学 森誠一 教授)」を設置しています。飼育下で増殖した員弁川水系由来のネコギギを過去に生息していた支流へ放流(再導入)しています。ネコギギ野外繁殖実験のための放流は「生物多様性の保全を目指した魚類の放流ガイドライン」(日本魚類学会,2005)に基づき行いました。ネコギギは国指定天然記念物で環境省の絶滅危惧種です。捕獲が禁じられている等の理由からネコギギの生息地点及び放流地点を非公表にしています。
    いなべ市直営飼育のほか、ネコギギを複数の施設で飼育しています。
  • 今後
    ネコギギ野生個体群の復活を目指して事業を継続します。今後もモニタリングを継続します。川で生まれたネコギギが無事に成魚(2~3歳以上)になり繁殖することが期待されます。
記者説明の有無

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このページに関するお問い合わせ

教育委員会 生涯学習課 [いなべ市役所]
電話:0594-86-7846 ファクス:0594-86-7871
〒511-0498 三重県いなべ市北勢町阿下喜31番地