人と共生してきた里山の雑木林 コナラ林
この地域に見られる里山の雑木林は、シイやカシ類を中心とする照葉樹林が切り開かれた後、コナラを中心に成立した二次林です。
雑木林は、農家のくらしや生産活動と深く結びつき、長い年月にわたって人と共生してきた森です。ガスや石油・電力がエネルギー源として利用される以前は、雑木林から得られる薪や木炭が主要なエネルギー源でした。わが国の薪炭材の伐採のピークは1942年頃でその後減りつづけ、1970年頃にはピーク時のわずか5%に減少しました。エネルギー源だけでなく、耕地に施す肥料も有機肥料から化学肥料に変わり、堆肥づくりに使われてきた落ち葉や下草は利用されなくなりました。
こうして雑木林は放置されネザサやケネザサが繁茂し、ヒサカキ・アラカシ・アオキ・ネズミモチなどの常緑樹も自生するようになりました。よく管理された雑木林は、高木層と林床植生の二つの層からなるすっきりとした構造の樹林となっていますが、放置された雑木林はまるでジャングルのような樹林となっています。
雑木林が農民にとって有用な林であった時代、雑木林は薪や炭など燃料、堆肥づくりに使う落ち葉や下草、山菜やキノコなどの食材を得るための大切な場所であり、昆虫採集など子供たちの遊びの空間でもあったのです。
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写真:コナラ林 (Jpeg 184.8KB)
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写真:コナラ (Jpeg 125.5KB)
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写真:ネザサ (Jpeg 139.7KB)
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写真:ヒサカキ (Jpeg 139.8KB)
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写真:アラカシ (Jpeg 97.8KB)
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写真:アオキ (Jpeg 72.8KB)
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写真:ネズミモチ (Jpeg 64.4KB)
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