放流したネコギギがふるさとの川で赤ちゃんを生みました

ページ番号1010518  更新日 令和4年6月8日

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員弁川水系ネコギギ保護増殖事業

放流したネコギギがふるさとの川で赤ちゃんを生みました

員弁川水系由来のネコギギを放流しています

ネコギギは日本固有の淡水魚で、愛知・岐阜・三重の河川中上流域にのみ見られる希少種です

豊かな自然の象徴(シンボル)ネコギギ

血が濃くならないように家系管理しながら飼育下でネコギギを増やしています

毎年、100~数百匹ほどのネコギギが水槽内で生まれています

放流するネコギギには蛍光色素でマーク(標識)しています

2つの支流でネコギギの赤ちゃんが生まれました

ネコギギの隠れ家造りの様子

工事で設置された隠れ家をネコギギが利用しています

それぞれの支流に住むネコギギ同士が互いに交流出来る日を目指しています

ネコギギは日本固有の淡水魚で三重県、岐阜県、愛知県の河川中上流域にのみ見られる希少種です。絶滅の危機にある員弁川水系ネコギギの復活を試みています。員弁川水系で保護したネコギギを、家系管理しながら飼育下で増やしています。飼育で増えた員弁川水系由来ネコギギを、過去に生息していた場所へ放流(再導入)しています。放流にあたり日本魚類学会の「生物多様性の保全をめざした魚類の放流ガイドライン」に基づいて事前に様々な準備や条件の整理をしました。放流後の調査では、ふるさとの川でネコギギが産卵して増えた子(稚魚)が見つかっています。ネコギギが生息するためには、きれいな水の流れ、餌となる水生昆虫のほかに、大きな石の下の間隙や横穴などの隠れ家が必要です。生息環境改善として近年では、河川工事にあわせてネコギギの隠れ家づくりがされています。今後も環境改善された地点を中心に、順応的に対策しながらネコギギの放流やモニタリングなどを継続します。保護事業を実施するにあたり、員弁川水系天然記念物ネコギギ保護増殖指導委員会を組織しています。ネコギギ保護増殖指導委員会は、大学教授などの専門家、文化庁文化財部記念物課及び県教育委員会文化財保護課からなる指導委員会並びに、志摩マリンランド及びアクアトトぎふなどからなる飼育増殖機関、飼育指導並びに、河川管理部局及び野生生物保護部局などからなる三重県、いなべ市行政の3つの分類から構成されています。

ネコギギ保護増殖事業の結果、次のとおり成果がありました。まず、2003年頃は絶滅状態であったネコギギが現在も存続しています。また、家系管理した飼育繁殖方法を継続し、遺伝子の多様性を維持しています。他にも、河川工事等に係る環境改善を協議しており、生息環境調査結果に基づいて、環境改善後にネコギギを放流し、再導入しています。また、河川放流及び野外河川繁殖に成功しました。これらの成果のほか、いなべ市内外にネコギギの危機的状況を発信しネコギギ保護の啓発を行っています。

このページに関するお問い合わせ

教育委員会 自然学習室 [藤原文化センター]
電話:0594-46-8488 ファクス:0594-46-4312
〒511-0511 三重県いなべ市藤原町市場493番地1