【ネコギギ保護活動メニュー】
1.員弁川水系ネコギギ保護増殖の開始
1.員弁川水系ネコギギ保護増殖の開始
2.野生生息ネコギギの繁殖の確認
2.野生生息ネコギギの繁殖の確認

3.飼育ネコギギの繁殖の成功
3.飼育ネコギギの繁殖の成功

4.生息環境調査の実施
4.再導入(放流)候補地の調査

5.ネコギギとその保護の普及啓発
5.ネコギギとその保護の普及啓発

6.地域ぐるみの保護活動の芽生え
6.地域ぐるみの保護活動の芽生え

員弁川水系ネコギギ保護増殖の開始
清流の象徴ネコギギ

 ネコギギ(ナマズ目ギギ科)は、三重県、岐阜県、愛知県の伊勢湾周辺域河川にのみ分布する日本固有の純淡水魚で、清流の象徴(シンボル)といわれています。体長は10cm前後で、口に4対のひげを持ち、背びれと胸びれにとげがあり体色は黄褐色から暗褐色です。夜行性で、昼間は川岸や河床の岩、巨れきの下にできる間隙、水際に生えた植物などの根の間などに隠れています。夜間は、流れの緩やかな平瀬や淵などに泳ぎ出て、餌となる水生昆虫などを探索します。ネコギギの「ネコ」は他のギギ類に比べて丸みがあるところから、その愛嬌ある名前が付いたといわれています。
員弁川水系ネコギギ保護増殖事業

 いなべ市の中央部を流れる員弁川とその支流は、魚類相の豊富な水系として知られており、過去には多くのネコギギが生息していました。しかし、平成7年以降に実施された生息状況調査では、平成13年までに同水系の一河川で数個体が確認されただけで、この間生息が確認できない年もあるほど危機的な状況になっていることがわかりました。
 員弁川水系のネコギギが激減した要因には、台風などの自然災害による河川のかく乱のほか、災害復旧工事等の河川改修による生息適地の減少、堰堤等の設置による移動の制限など人為的影響が大きいと考えられています。


 このまま放置しておけば、たとえ更なる人為的な生息環境の改変を行わなくても、員弁川水系のネコギギは、近い将来、絶滅することが濃厚です。そこで、適切な人為的措置による野生個体群の復活が急務となりました。平成15年度から17年度にかけては、緊急的措置として、三重県教育委員会が文化庁の補助をうけ「員弁川水系ネコギギ保護増殖事業」を開始しました。平成18年度からは、いなべ市がこれを引継ぎ、ネコギギの個体数を増加させ、河川への放流(再導入)により、野生個体群を復活させることを目的として、文化庁の補助を受け、地元に密着した事業を展開しています。
保護増殖指導委員会の設置
 保護増殖事業の実施計画の策定や調査等を行うための母体として、研究者などの学識経験者で構成される「ネコギギ保護増殖指導委員会」を設置しています。これには、文化庁・三重県教育委員会の文化財担当の行政機関、調査・捕獲実施ができる機関、 飼育機関、さらに河川管理、環境行政等の関係行政機関も参加し本事業について多方面からの検討がされています。
員弁川水系ネコギギ保護増殖指導委員会
委員長  岐阜経済大学   教授  森 誠一
委員  三重大学生物資源学部   教授  原田泰志
委員  京都大学大学院理学研究科   准教授  渡辺勝敏
委員  名古屋大学大学院工学研究科   助教  田代 喬

 ネコギギの保護増殖計画は大きく4つの柱からなっています
  第1に、ネコギギの詳細調査を行ったうえで飼育増殖のための個体を捕獲すること
  第2に、将来的な再導入をめざした飼育増殖・維持管理を計画し実施すること
  第3に、生息場所としての環境評価を行い、ネコギギの生息環境の改善策を提案すること
  第4に、ネコギギが生息可能と考えられる場所へ飼育増殖した個体を段階的に再導入し、ネコギ個体群の回復を図ること