清流の象徴ネコギギ
ネコギギ(ナマズ目ギギ科)は、三重県、岐阜県、愛知県の伊勢湾周辺域河川にのみ分布する日本固有の純淡水魚で、清流の象徴(シンボル)といわれています。体長は10cm前後で、口に4対のひげを持ち、背びれと胸びれにとげがあり体色は黄褐色から暗褐色です。夜行性で、昼間は川岸や河床の岩、巨れきの下にできる間隙、水際に生えた植物などの根の間などに隠れています。夜間は、流れの緩やかな平瀬や淵などに泳ぎ出て、餌となる水生昆虫などを探索します。ネコギギの「ネコ」は他のギギ類に比べて丸みがあるところから、その愛嬌ある名前が付いたといわれています。 |
員弁川水系ネコギギ保護増殖事業
いなべ市の中央部を流れる員弁川とその支流は、魚類相の豊富な水系として知られており、過去には多くのネコギギが生息していました。しかし、平成7年以降に実施された生息状況調査では、平成13年までに同水系の一河川で数個体が確認されただけで、この間生息が確認できない年もあるほど危機的な状況になっていることがわかりました。
員弁川水系のネコギギが激減した要因には、台風などの自然災害による河川のかく乱のほか、災害復旧工事等の河川改修による生息適地の減少、堰堤等の設置による移動の制限など人為的影響が大きいと考えられています。
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このまま放置しておけば、たとえ更なる人為的な生息環境の改変を行わなくても、員弁川水系のネコギギは、近い将来、絶滅することが濃厚です。そこで、適切な人為的措置による野生個体群の復活が急務となりました。平成15年度から17年度にかけては、緊急的措置として、三重県教育委員会が文化庁の補助をうけ「員弁川水系ネコギギ保護増殖事業」を開始しました。平成18年度からは、いなべ市がこれを引継ぎ、ネコギギの個体数を増加させ、河川への放流(再導入)により、野生個体群を復活させることを目的として、文化庁の補助を受け、地元に密着した事業を展開しています。 |