いなべFM第24回 令和4年1月14日「在宅ホスピス」


ページ番号1011640  更新日 令和4年1月24日


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令和3年1月からこの番組が始まり、約1年となりました。令和4年も医療や介護の専門職の方のインタビューをお聴きいただき、更に詳しくお話していきたいと思っています。今回はこの番組担当の守山より「在宅ホスピス」についてのお話です。

"在宅で行う緩和ケア” 在宅ホスピスについて

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「在宅ホスピス」とは、在宅で行う「緩和ケア」のことです。「緩和ケア」とはがんや難病などの重い病を抱えた患者さんが、住み慣れた自宅や施設で、体と心の苦痛を和らげ安心して生活いただけるための方法のことを言います。

私は以前訪問看護師として、いなべ市・東員町を中心に訪問看護の仕事をしていました。がんにより自宅での療養を選択された患者さんの多くは、いろいろな治療を病院で受けてこられ、「病院でできる治療は全て終りました」と告げられ、退院された方でした。がんによる痛みなどの症状コントロールは病院に引き続き、在宅医が行い、看護師や介護士・ケアマネジャー・薬剤師などが、チームで患者さんの状況を共有して関わります。痛みやその他の症状を我慢させない、我慢しないというのが「緩和ケア」であり、病院という場所から生活の場である自宅に移り、症状をコントロールしたうえで、自分のしたいことやその役割を果たすことが「在宅ホスピス」の目指すところです。命の長さは誰にも知るよしもなく、病院で余命は1〜2か月と言われた方が退院後半年以上生きられた方もみえます。

ある肝臓がんの患者さんは、通過障害のため口から栄養をとることが困難で、24時間点滴をした状態で自宅に退院されました。医療や介護などのチームはその方の人生観や価値観、希望に沿うように、繰り返し話合いながら支援を行います。その方は在宅用の点滴ポンプと点滴をつめたリュックサックを持って、奥さんと一緒に何カ所か温泉巡りをされました。何でも言いやすい関係ができていくのも在宅ならでは、と思います。

患者さんから私によく聞かれた言葉は、「最期の時に痛みで苦しむことにならないか。」ということでした。そういった症状を緩和する薬剤として、内服薬や貼り薬、坐薬、注射薬など医療用麻薬が広く使用されています。吐き気や便秘などの医療用麻薬の副作用対策も含めた処方を医師が行います。痛みなどの症状を緩和することで、日常生活が安定し免疫力のアップにつながり、結果として生活の質が向上します。

医療や介護のスタッフは患者さんの支援を中心に、大切な人とお別れすることになるご家族の支援にも力を注ぎます。「最期」を考えることは非常に避けたいことではありますが、事前に心の準備をすることで、家族の方は「最期の刻」に正面から向き合え、偲びつつも前に進むことができるものと思います。

※内容は趣旨を変えない程度に編集しています。


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