いなべ市人権啓発基本方針

ページ番号1006426  更新日 平成29年3月9日

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豊かなくらしとお互いを尊重するまちづくりを進めるために【平成20年3月6日策定】

1.はじめに

平成19年6月に、いなべ市議会で『人権尊重のまち宣言』が決議されました。この宣言の主旨は、「市民と行政が協働して、人権が尊重されるまちづくりに向けた日々の営みを継続・発展させていく」ことと、さらに「その営みを通じて、真の民主的な地域社会を築いていく」というものです。
この「民主的な地域社会づくり」を進めていく主役は、その地域で暮らす市民です。行政には、市民の取り組みが円滑に進められるように支援する役割があり、その一つに、人権啓発と社会教育における人権教育(以下「人権啓発・教育」という。)があります。
この方針は、人権啓発・教育の基本的な考え方をまとめたものです。

2.本方針策定までの経緯

平成18年9月に、人権が尊重され、福祉を重視するまちづくりに向けた諸施策を進めていくために、『豊かなくらしとお互いを尊重するまちづくりに関する調査』を行い、多くの市民の協力を得て、市民の人権意識と生活実態・生活要求の把握を行いました。
平成19年3月には、教育委員会が『いなべ市人権教育基本方針』を策定しました。同年4月には、市民による自主的、主体的な人権啓発活動を進めているメシェレいなべから、人権施策に関する『いなべ市への提言』が提示され、同年6月には、市議会で『人権尊重のまち宣言』が決議されました。
これらの経緯を踏まえ、同年7月に、人権啓発・人権擁護・社会教育を推進している機関の代表者と学識経験者とからなる人権啓発方針策定委員会を立ち上げました。委員会では、いなべ市の人権啓発・教育の現状についての意見交換や他自治体での取り組みを学び、提言『いなべ市の人権教育・人権啓発方針について』がまとめられました。

3.人権問題のとらえ方

いなべ市では、人権問題を次のようにとらえて、これからの人権啓発・教育を進めていきます。
第一は、人権問題は日常の生活の中に存在しているということです。市民の生活課題の中で人権問題に関係しないものはありません。したがって、市民の切実な生活要求の中に具体的な人権問題が存在しているといえます。
第二は、人権問題は何よりも自分自身の人権に関係する問題であるということです。たとえば、高齢者問題は、自らが安心して老後を過ごすことのできる権利の問題であり、障害者問題は、障害者自身が安心して生活できる権利の問題であるということです。つまり、人権問題は、侵害・抑圧されてはならない「人間としての尊厳の基本に関わる価値・利益」に関する問題であるといえます。
第三は、人権問題はお互いの人間関係にも関わる問題であるということです。希薄な人間関係等により相手の人権を侵害してしまうことがあるといえます。
なお、市民の人権意識は、自らの権利保障の進展や地域・職場・家庭における民主主義の前進等と深く関わりながら、市民自身が生活の中から人権問題を自覚し、それに対する自主的、主体的な学習や取り組みを進めていくことによって、深められていくと考えます。
人権問題に対する市民の自覚を促し、その問題に対する学習や取り組みのきっかけづくりや、その深まりを支援するのが人権啓発・教育の役割です。

4.基本方針

(1)人権啓発の推進

市民の学習や取り組みの契機となる多様な機会の提供
市民の意識に一定の影響を与え、市民の自主的、主体的な学習や取り組みのきっかけとなるような事業を進めていきます。
事業を進めていく上では、「3.人権問題のとらえ方」を基礎にしながら、様々な世代の市民が参加できるような多様な事業形態、様々な人権問題の自覚を促せるような事業内容を大切にしていきます。

(2)社会教育における人権教育の推進

市民の学習や取り組みの広がりと深まりを保障する機会の提供
市民にとっての身近な施設である社会教育施設(文化施設)を拠点にして、生活課題(=人権課題)を取り上げた生涯学習講座や市民大学講座を開設するなど、継続的な学習機会を提供し、市民の学習や取り組みの広がりと深まりを支援できるような事業を進めていきます。
市民の自主的、主体的な学習に対して適切な支援ができるように、様々な学習情報の提供や学習相談体制の充実を図っていきます。
また、社会教育関係団体の自主的、主体的な人権学習活動の支援を図っていきます。

(3)市民の参画による学習や取り組みの推進

市民の民主的な地域社会づくりへの力量を高め、より地域に密接した内容にできるよう、学習や取り組みへの企画段階からの市民の参画を促します。
また、市民による民主的な地域社会づくりをめざしているメシェレいなべ等各種団体の活動を支援し、市民と行政が一体となった取り組みを進めていきます。

5.終わりに

行政の本務は、住民の福祉の増進を図ることです。すべての部局で、市民の人権が保障される施策、豊かなくらしとお互いを尊重するまちづくりに向けた施策を進めていきます。それぞれの業務に関わる個別の人権問題については、各担当課においても啓発を行っていきます。
また、行政職員の人権意識の向上を図るために現状の職員人権研修を充実させていきます。さらに、職員自らが、一市民として民主的な地域社会づくりに携わっていくためにも、市民の生活実態の把握に努めるとともに、あらゆる機会をとらえて自らの人権認識の向上を図る努力をしていきます。

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このページに関するお問い合わせ

福祉部 人権福祉課 [いなべ市役所]
電話:0594-86-7815 ファクス:0594-86-7865
〒511-0498 三重県いなべ市北勢町阿下喜31番地